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附属高等学校平野校舎の生徒の研究論文が専門誌に掲載

2022.04.12

附属高等学校平野校舎の生徒の研究論文が専門誌に掲載

 附属高等学校平野校舎の2年生の湯川歩美さん、村田鈴さんらが作成したカテキンによるカビの生育抑制作用に関する研究論文「茶類に含まれるカテキンによるカビの生育抑制作用 ~ティータイムは健康をつくる~」(*1)が、専門誌「食生活研究」2022年第2号に掲載されました。また、「高校生?高専生科学技術チャレンジ(JSEC)」(*2)においても高く評価されました。

 この研究は、附属平野中学校在籍時に総合的な学習の時間(JOIN)(*3)で取り組んだ「水筒に見られるカビの研究」をきっかけとして、大阪市立自然史博物館の浜田信夫外来研究員の指導のもと、その後も継続して行ったものです。中学校在籍時の研究では、生徒43名分の水筒についてカビ調査を行い、約半数の水筒内部でカビが認められたにも関わらず、緑茶を入れていた水筒ではほとんどカビが認められなかったことをつきとめ、このことは当時の新聞にも取り上げられました。

 今回の研究では、当時「緑茶に多く含まれるカテキンがカビの生育を抑える要因ではないか」と考察していたことについて、より精密な実験を行い、カテキンが本当にカビの生育を抑える作用があるのか、また、カテキンがカビの生育を抑える主たる要因であるかを明らかにしようとしたものです。研究の結果から、飲料に供される程度の低濃度のカテキンでもカビの生育抑制に効果があること、また、カビが生育に阻害を受けると色素を出すことが明らかになりました。このことは専門家にとって興味あるものであり、今後、様々な実験に活用できるデータであると評価され、今回の掲載に至りました。

 研究に取り組んだ湯川さんは「何度もカビを培養しましたが、そのたびに、2週間後の繁殖結果を見るのが楽しみででした」と感想を述べ、「研究結果を論文に仕上げる際は、たくさんの書きたいことがあったのですが、制限字数内でまとめていくことにとても苦労しました」と、振り返りました。

*1 この研究論文は「食生活研究」2022年第2号のp114-120に掲載されており、専門誌の所蔵先は学術論文情報を検索できるサイト「CiNii Articles」で確認することができる。

*2  JSEC(Japan Science & Engineering Challenge)は、全国の高校生と、高等専門学校生を対象に、2003年に始まった科学技術の自由研究コンテスト。

*3 総合的な学習の時間(JOIN)は、変化の激しい社会に対応して、探究的な見方?考え方を働かせ、横断的?総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質?能力を育成することを目標にしている学習の時間。

 
論文が掲載された専門誌を手にする村田鈴さん(左)と湯川歩美さん(右)

(附属高等学校平野校舎)