本文へ

エッセイ

特別支援学校
2021/01/26
大阪城ホールで全力演舞
 

私が支援学校に勤めていた時の話です。私はダンスが苦手でしたが、縁があって、「大阪メチャハピー祭」というダンスの祭典に出場するチームに誘ってもらい、3年ほど続けて出場しました。大きな舞台で音響、照明など本格的な演出の中で、おもいっきり踊りました。まぶしくて観客は見えません。終わったあとの爽快感はたまりませんでした。

私の勤務していた支援学校では、生徒が体育大会で南中ソーランを踊ります。みんな南中ソーランが大好きでとても楽しそうに踊っています。私は、生徒たちにも、大阪城ホールという大きな舞台で踊る爽快感を味わわせてあげたいなと思いました。

しかし、そこにはたくさんのハードルがありました。まず生徒を大会に出場させるということで部活動をたちあげなくてはいけません。そして、大阪城ホールで踊るには、25名以上という条件があるので、人数を集めないといけません。さまざまな障がいがある生徒を、どのようにサポートし、付き添い体制をどうするかなど、課題は山積みでした。

多くの先生方の協力のもと、無事に部活動を立ち上げることができました。入部した生徒の障がいの程度もさまざまでしたが、顧問としてたくさんの先生方が協力してくれました。生徒だけでは大阪城ホールで踊る条件の人数に満たないこともあり、先生方にも一緒に踊ってもらいました。

本番、少し緊張気味の生徒もいましたが、ステージで踊る生徒たちはとてもかっこよく、笑顔が輝いており、全力で楽しんでいることが伝わってきました。私は本当にうれしく誇らしい気持ちでした。

出場した生徒が、卒業文集の3年間の思い出として、大阪メチャハピー祭について書いてくれました。生徒の心にも残っているのだと思うと本当にうれしかったです。もう一つ嬉しかったのは、保護者の方からのお手紙です。そこには感謝の気持ちが綴られていました。いろいろと大変なこともありましたが、やってよかったと心から思いました。そして協力してくれた同僚の先生方には感謝しかありません。保護者の方からいただいた手紙は今でも私の宝物です。