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エッセイ

小学校
2021/01/21
「先生ありがとう」のもつ力
 

「先生ありがとうございました」この言葉は、1年目教師の私がクラスの子にもらったものである。この言葉がもつ力は計り知れないなと思った。

人の人生に良い影響を与えるような仕事がしたい、そう思って教師を目指した。なぜなら、私も先生に助けられたことがあるからだ。自分に自信がなかった私を励ましてくれ、勇気をもらった。

そんな私は、初任の2学期を終えた。振りかえってみると、試行錯誤の連続だった。私の教師生活は、皇冠体育投注_足球比分直播-在线|官网感染症対策による臨時休校から始まった。教室で子どもたちと出会ったのは6月からだった。初めてのことだらけ。子ども達のために必死に努めた。

しかしながら、うまくいかないことばかり。「これはおもしろい!」と思った授業でも、やってみると手応えがなかったり、先輩から耳の痛い助言をもらったりした。何をやっていいのかわからず、苦しい時期もあり、無我夢中で試行錯誤を繰り返していった。

少しずつ自分自身、そして子どもたちが成長していくのを感じ、教師の面白さややりがいを感じることも増えてきた。もちろん失敗もたくさんするが「子ども達のために何ができるだろう」と考えることに楽しみを覚えてきた。

そんな中で、ある子がこの2学期末で転校することとなった。友だちに優しくて、笑顔がキラキラしていて、どんなことでも頑張るようなすてきな子だった。その子が最後にお手紙をくれた。

そこには「楽しくて分かりやすくて授業が大好きでした。先生の笑顔が大好きです。いつもやさしくて元気でほめてくれてうれしかったです。先生ありがとうございました」と書かれていた。私自身に向けた通知表のように思った。うまくいかないことがたくさんあったけれども、こうやって少しずつ子どもたちにも伝っていることがあったのだと感じた。教師になってよかったなと強く思った。

まだまだ経験も浅く、決して力量があるとはいえない。たくさんの困難もあるだろうし、感じることのできていない教師の面白さもあるだろう。これからも努力していきたい。