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プログラミングで社会の課題解決を考える授業を実施

2022.08.10

プログラミングで社会の課題解決を考える授業を実施

 プログラミングを通じて社会や個人の課題を解決する方法を考える授業が7月7日(木)に行われ、学生20人が受講しました。理数情報教育系の石川聡子教授ら7人の教員が担当する授業「課題探究型STEAM教育」の一環で、今回はゲスト講師として、ケニス株式会社企画部課長で本学客員教員でもあるアンドリュー?ガン氏が講義を行いました。同社は実験機器をはじめとする理科教材を開発している企業で、本学の教員養成フラッグシップ大学事業の連携パートナーでもあります。

 授業の前半では、教育用の小さなコンピューター基板「マイクロビット」を使用して、実際にプログラミングを行いました。ボタンを押すとライトが光るといった簡単なプログラムで操作感覚をつかんだ後、マイクロビットを搭載して動かすミニカー「キュートボット」が配布され、「指定の距離をまっすぐ走らせて止める」という課題が与えられました。学生たちは設定の調整と走行テストを何度も繰り返しながら、プログラムを練り上げていきました。

 後半は、ガン氏から「マイクロビットを使ってどんな問題を解決できるか?」という問いが立てられ、学生たちは6つのグループに分かれて自分たちで課題を設定し、それを解決するプログラムを考えて発表しました。あるグループでは、家に赤ちゃんと親が1人だけでいるときに、親が離れて料理をしていたら赤ちゃんが泣き出したという状況を想定。泣き声を感知したらアラームで知らせつつ、親が駆けつけるまでの間も赤ちゃんをあやす機能があれば助けになると考え、一例としてキュートボットを前後に動かしてゆりかごを揺らすプログラムを提案しました。

 受講した学生たちは、「プログラミングに興味はあったが実際にやってみるのは初めてで、なかなか思うように動かず難しかったが、うまくいったときはすごく達成感があった」「キュートボットをゆりかごに使うというアイデアが新鮮だった。課題解決という視点で考えるときには、柔軟な発想が必要だと思った」などと感想を述べました。

 今回の授業についてガン氏は、「この科目は異なる専攻の学生が参加できるので、バックグラウンドの違う学生たちそれぞれが持つ能力を引き出し、課題解決に生かせるような授業を考えました。グループを分ける際は、なるべく同じような課題を解決したいと考えている学生同士で組んでもらい、より深い話し合いができるようにしました。学生たちは多様な課題に対して素晴らしいアイデアを発表してくれて、とても頼もしく、授業のやりがいを感じました。STEAMの『T(テクノロジー)』において、プログラミングは重要な要素なのだと実感してもらえたのではないかと思います」と語りました。

※STEAM教育…Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術?教養=リベラルアーツ)、Mathematics(数学)を統合的に学ぶ教育手法のこと。

 

マイクロビットの使い方を教えるガン氏
マイクロビットのプログラミング手順を説明するアンドリュー?ガン氏

プログラミングに取り組む学生たち
プログラミングに取り組む学生たち

キュートボットを走らせる学生
キュートボットを実際に走らせて試行錯誤を繰り返す

課題の解決策を話し合う学生たち
どんなプログラムにすれば課題を解決できるか、さまざまなアイデアを出し合う

(広報室)