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第9回識字?日本語学習研究集会を開催

2023.10.12

第9回識字?日本語学習研究集会を開催

 地域連携?教育推進センターと識字?日本語学習研究集会実行委員会が主催する「第9回識字?日本語学習研究集会」を、9月23日(土)に天王寺キャンパスで開催しました。これは、本学FD(*1)にも位置づけられている取組で、識字?日本語教室(*2)の学習者とパートナー(学習者と共に学ぶボランティア)や関係者、夜間中学校の教員?生徒などを対象に行ったもので、約100名が参加しました。

 今回は、全体会と4つの分科会で構成され、全体会では、「識字?日本語学習における大学の役割」をテーマに、パネルディスカッションが行われました。コーディネーターである本学の森実名誉教授より問題提起があり、続いて、大阪大学の榎井縁特任教授、しきじ?にほんご天王寺(*3)運営委員代表の柴田亨さんと梁榮子さん、本学の高橋登教授がパネラーとして、それぞれの立場から意見を発表しました。

 後半は、4つの分科会に分かれ、各テーマに基づいて話し合いました。第1分科会は、「学習者の思いを出発点に」をテーマに、学習者が自ら経験したことを発表し、参加者らと意見交換しました。第2分科会は、「しきじ?にほんご天王寺のこれまでとこれから」をテーマに、学習者とボランティアが実際に学習している教室で学習場面を再現し、これからどのような学びが必要なのか参加者とともに話し合いました。第3分科会は、「識字?日本語教室における人権学習」をテーマに、識字教室で取り組んでいる人権問題学習の実践報告を行い、人権問題についての意識を共有しました。第4分科会は、「識字?日本語センターの提言の活用に向けて」をテーマに、各自治体や識字教室、夜間中学校の参加者らと、人権に根ざした学習を進めるための提言をどのように活用するかについて、具体的な方法を話し合いました。

 参加者からは、「識字?日本語学習は、外国の文化への思い込みや偏見を正したり、日本の文化を見つめ直したりする機会になっていると思う」「学習者が主体的に参加しているところがとても良かった」「夜間中学校をはじめ、識字にかかわっている方のお話を聞き、いろいろなことを考える機会となった」などの感想が寄せられました。


*1 ファカルティディベロップメント(Faculty Development)の略。大学教員の授業内容や教育方法を改善し向上させるための取組

*2 日本に住む外国人や様々な事情で日本語の読み書きに不自由している人が学ぶ場所

*3 毎週金曜日に天王寺キャンパスで行っている、読み書きを学びたい人、身近な日本語を学びたい人を対象とした学習教室



全大会の様子

分科会の様子
分科会の様子

(学術連携課)