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トピックスバックナンバー(2011年~2020年)

2020.07.20

教師の魅力を伝える「教師冥利に尽きるエッセイ」を教材活用

 本学では,大阪教育大学初のクラウドファンディング「教師」の魅力向上プロジェクトの成立により,教師冥利に尽きるエッセイの公開と活用を進めています。これは,全国の教職等経験者から「教師冥利に尽きるエッセイ」を集め,Web特設サイトによる公開等を通して教師のやりがいや素晴らしさを広く発信し,教師をめざす者を一人でも多く増やすことを目的としているプロジェクトです。
 プロジェクトは,特設サイト「教師冥利に尽きるエッセイ集」公開を第一歩に,今後,エッセイの様々な展開を企画しており,教師をめざしている高校生や大学生等のキャリア教育のための教材活用もその展開のひとつとしています。
 今回,教員養成課程1回生必修で,教職に関する基礎的な校務の実情を学ぶ授業「教職入門」のうち上出吉則特任教授担当で,数学教育コースと技術教育コース学生のクラスで,エッセイを教材として初めて活用しました。
 当日7月17日(金)は,教育現場の実情から教育の今日的に直面する様々な課題までの内容を教職の入門として学んだ前期開講のこの授業の実質上しめくくりとなる回でした。授業形態は,他の授業同様,コロナ禍により前期授業は一部の実習系の授業を除きオンライン開講となっており,この春に入学した同コースの1回生50人がオンライン受講しています。
 授業では,プロジェクトリーダーの新津勝二理事?事務局長が,「教師」の魅力向上プロジェクを立ち上げた経緯と,6月末に開設した特設サイトの活用方法について説明しました。その後,小学生の児童らの団結と踏ん張りを書いた「縄跳び一万回」と,音楽教員出身の校長先生による「思い出がいっぱい」のエッセイを紹介。続けて,上出特任教授が,教師生活で最後となったクラスでの合唱コンクールでの思い出とともに「教師冥利」とは,与えられた環境の中で,自分自身の自己改革によって,全く違った教職の捉え方になり,そのことで感性を揺さぶられる感動を共有することではないかと振り返るエッセイ「最後の担任」を紹介。実は,自身の現職教員時の経験を書いたエッセイであることを明かし,前期を通してこの授業で学んだ内容を振り返るとともに,これから卒業まで本学で様々なことを学んだのち,晴れて教師になった後も日々課題に向き合い学び続けるなかで,教師は幾度となくかけがえのない「教師冥利」に巡り合うのだということを伝えました。
 授業後,学生たちは,「どのエッセイも感動して涙が出てきました」「教職に就いた人にしか経験できない喜びや感動を味わうために,今は勉強を頑張ろうと思いました。教職入門で将来が具体視できてよかったです」「オンライン授業でひたすら課題をするという状態で気分が沈んでいましたが、教師の心温まる体験談で心が洗われました。自分が目指している教師という職業はこんなに素晴らしいのかと,この夢を持ち続けてよかったと思えました」「今回の講義を受けより一層教師になりたい気持ちが増しました」などの感想を寄せました。
 上出特任教授は,「これまでの教職入門では教職の真の姿を捉えてきました。しかし,今日は教師の仕事のやりがいを伝え,ブラックと言われてもそれを何百倍も上回る魅力があることを伝えたかった。皆さん,将来は教師冥利に尽きる感動を味わってください」と講義を振り返りました。
 新津理事は,「教職に多少の不安を抱える学生がこのエッセイを読むことにより,教師になる気持ちをより高めることが証明されました。全国でキャリア教材として積極的に活用してほしい」と抱負を述べました。
 本プロジェクトでは,引き続き「教師冥利に尽きるエッセイ」を募集しています。また,特設サイト公開に合わせてスタートしたスピンオフ企画「恩師への手紙」の募集も開始しており,教師の魅力を全国に向けて発信しています。

紹介されたエッセイ 特設サイトの画面の一部
エッセイを紹介する上出特任教授
 

特設サイト「教師冥利に尽きるエッセイ」集

/essay/
(上記URLをクリックすると特設サイトが開きます)

授業で紹介したエッセイ

教師冥利に尽きるエッセイ「最後の担任」
(クリックすると特設サイトのこのエッセイのページが開きます)

(広報室)